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「ワンダフルライフ」
出版:ハヤカワ文庫
著者:スティーヴン・J・グールド

図書館でリクエストして入れてもらった本です。

<内容>
進化とは少しの変化が積み重なっていくことだとする
ダーウィンの進化論に異議を唱え、
古生物を例に使いながら生物の多様性について
考えていくというなかなか激しい内容です。

<感想>
まず、古生物が好きなら読んだ方がいいかもしれません。
何より、カンブリア期の生き物たちが図説つきで載っていますから。
また、生き物の進化に興味がある人も楽しく読めそうです。
(私は両方当てはまります(笑))

しかし、この本に書かれていることを鵜呑みにしてはいけません。
現在では動物の分類も進み、
この本では不明となっていた多くの生物の類縁関係が
明らかになりつつあります。
つまり、多様性は進化の最初の段階に最大になり、
その後は非運多数死(偶発性)によってたまたま選ばれたものが
その後の生物の形を決めるという
グールドの理論の証拠自体が揺らいでいるのです。

しかし、この本の内容が間違っていたとしても、
この本が重要であることには何ら変わりはないと思います。
なぜなら、この本はカンブリア期の動物たちに大衆の関心を
向けさせることができたからです。
この本の中でグールドが述べているように、世間は
「恐竜が隕石の衝突によって絶滅した」という説には
大変関心を示したのに、
「バージェスで大量絶滅が起こった」という事実には、
特に関心を払っていなかったのです。

それをここまで有名にしたのですから
(まあ、恐竜の認知度には到底届かないにしろ)
この本の存在意義は大きいでしょう。

また、科学は時として間違うこともあります。
間違うことは「完全な失敗」ではないのです。
ウォルコットの間違いをウィッティントン達が暴いたからこそ、
この本が書かれたとも言えるのですから。


とまあ、ここまで偉そうなことを書いてしまいましたが、
以上が私が感じたことです。


<ちなみに・・・・・>
・恐竜は隕石衝突の前からかなり減少していたらしいので、
 隕石が直接的な原因ではないとする説もあります。
 (ただし、絶滅へ最後の決定打になったことは確かなようです)
・この当時はまだハルキゲニアの復元が上下逆に行われていました。
 訳者もその点をあとがきで指摘しています。
 しかしなんと、この本の表紙には、
 この間違った解釈の3DCGが描かれているではありませんか。
 ・・・・・・直せばいいのに。
 
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